米軍のBivysack

 違和感を感じた事はないでしょうか?


 ザックカバー
 シュラフカバー


 ・・前半ドイツ語で後半英語。
 冷静に考えるとなんかダサイ事だとは思うのですが、かつて山屋の人らが一般には通じない専門用語をひけらかしてカッコつけようとした結果でしょう。
 ドイツ語、フランス語、英語、果てにはチベット語まで、登山の言葉には色々言語が混ざり過ぎて いつの間にか雑種も誕生してるわけです。


 揚げ足取りのようですが 昔ドイツ人に聞いた事。「ピッケル」って「ニキビ」って意味らしい。アイゼンは鉄。
 シュラフは「眠る」カラビナは「カービン銃」から来ている様。



 ま、そりゃどーでもいい話として。



 英語の通じる外人に“Sleeping Bag Cover”の事を話しても通じなかった経験がある。
 どんなものだか説明すると“Bivy sack"か?と言われ、実際REIとか外国のアウトドアショップのホームページを見ても“Bivy sack”の欄にしかそれっぽい商品は存在しない。
 しかしそれはBivyと言う名の通り、屋外ゴロ寝で雨風を防ぐ目的の商品であり、テント内で寝袋の凍りつきを防ぐと云う日本の感覚とは根本違う。



 “シュラフカバー”って、湿度の高い日本だけの物なのか??日本の湿気ってそこまでスゲーのか?!


 で、逆にいつ雨が降るかわからない日本においては“Bivy sack”の方が目につかない訳で、ちょっと気になる存在であった。




 そんな時、僕らは出会ってしまった。




 アラスカのアーミーサプライで、たしか$100-ぐらいしたぞ?
 わずかな汚れのみで使い込んだ感じは全然無く、でっかい米兵達をくるめるだけの量の、しかも分厚いゴアテックス生地を使い、そう思うと中古といえど安く感じる旅先マジック。
 どうも元々は“Modular sleeping bag system”と云う 米軍の採用している、薄手・中厚手を重ねたりそれぞれで使う事で 幅広い温度域に対応させた寝袋の 一番外側のカバーの様で、だからこのカバーにも温度調節の工夫は見て取れる。
 

上下から開く、いかにもヘビーデューティーなダブルスライダー+スナップボタン留め。


 シュラフカバーの様に顔の所で口がすぼまるのではなく、

すっぽり顔を覆うことで降り注ぐ雨や砂も気にせず寝れて、そのままきっと死体袋にも出来ちゃうスグレモノ・・??



 一度実際使ってみました。
 冬の鹿之沢小屋でした。
 坊主頭の空手家とメガネをかけた登山用品オタクと一緒に雪の永田岳を登りに行き、夜になるとその人たちが云うのです。
 せっかく小屋泊だというのに、「小屋の中でテント張って一緒に寝よう」と。
 一番ガタイが小さく肌も白くて若いボクは、
「ちょっとマズイな」
と思ってこのBivybagにくるまって小屋の前、雪の上でモンベルの#4ダウンシュラフで寝たのです。当然顔までスッポリとかぶって。



 ・・・吐息がみるみる寝袋を濡らしていき、「そんな筈はない、そんな筈は無い!」と唱える僕を芯から冷やしてゆきました・・



 翌日、見事に風邪を引き、下山はもう、相当苦しかったですよええ。




 それ以降一回も使っていないモンで、あの大震災の時に寄付しようかとも思いはしたものの、コレを使いこなせる奴は多分もっと何とかしてる、と思って出さなかった。
 で、最近ヤフオクでボチボチ物を売ることを覚えまして。売っ払うつもりで出してきたのだけど・・検索してみると相場思ったより安い様で。買った頃には検索しても引っかからなかったのになぁ。迷い中。


 コレのもう一つの利点としては、法的なお話。
 国立公園内{だっけ?}で「キャンプ禁止」と云う法律がどうもあるようなのですが、その「キャンプ」の定義とは、“木の枝にぶら下げたりペグを打ったり”しないという事の様。つまりコイツで寝ると言う事は堂々と行って良い訳です。
 法的に良くても文句を言うやかましいのも居るかもしれませんが、この柄ですから 場所さえ選べば多分まず見つかりません。


 屋久島島内の方、如何でしょう??
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