アドベンチャー・メディカルキット/サーモライト・ビビィサック

 今回初めて泊まりの沢に行ってきた。
 ともなって 今回初めて実使用した道具のご紹介。




 エマージェンシーシート{↓こう云うの↓}、あの人工衛星風の金銀ペラペラで寝ようとしたことがあるでしょうか?

 寝っ転がって体に掛けるとまず、わずかな空気の動き・静電気なんかで体の上から逃げていきます。
 だから体を包むようにシートの端を体の下に挟み込んでやります。寝返りはうてません。
 息を吸うと
 「パリパリパリパリ・・・」
 吐くと
 「パリパリパリパリパリパリ・・・・」
 ちょっと動くと
 「ザザザザリザリザリザリ」
 寝れません。
 基本これは非常時に助けが来てくれるまでの間体を冷やさないように待つための道具で、寝具では無いのです。


 あとこのシート、あまり知られていない事だと思うが 古くなったり劣化すると破れやすくなる上シートどうしが癒着してしまって広げる事自体がままならなくなることがあり、{丁度古くなったサランラップの様に、と言ったら分かるかなぁ?}その上 一度広げてみたら二度と元の大きさに戻る事は無いので使える状態か確認する事も出来ない。
 非常用に持っている人は多いが 実際いざと言う時役に立たなくなっている事も多いだろうと懸念している。



 そこで、このエマージェンシーシートの発展形は色々ある中で、自分が実際使えると思う{使っている}のがコレ。

 今現在SOL Thermal Bivvy{http://www.adventuremedicalkits.com/product.php?product=146&catname=Shelter&prodname=SOL%20Thermal%20Bivvy#}と言う名で売られている模様。
 写真では263gと出ているが乾かしてみると実測202g。
 少し嵩張るが寝袋を思うと大変軽い。

 袋状になっており、ある程度ベルクロで入り口部分を開け閉めできる。
 実際結構蒸れるので「keep you warm and dry」と云う売り文句には語弊を感じるが

対策として足元にこれまたベルクロで開け閉めできる換気口が設けられている。{現在販売されている物にもあるかは不明。この商品、ちょくちょくアップデートされている。}

  
 実際中に入って寝てみると とりあえずパリパリ五月蝿い様な事は無く、生地の強度も繰り返しの使用に耐える物となっている。
 冬に二日酔いでクライミングに行き、ボルダリングマットの上でコレに包まって寝てすごく温かかった記憶があり、信頼を寄せてずっと非常用装備として使用していた。
 そして今回、軽量化に迫られ初めて泊まりで寝袋代わりに使用してみた。


 テント代わりにライペンのスーパーライト ツェルト1

 張り綱込みで297g+ペグ
 サーマレストのプロライト3{半身}

 404g。{但しどちらも使用後なので乾燥したらまた軽くなるかも}
 これらと持って行けばほぼ不自由無く暮らせる筈だった。




 4月24日 午前3時頃
 緯度N30°16’02.38" 軽度E130°33’33.39"
 標高1150m・耳岳の祠より北北東直線距離にして50m付近の位置において自分は寝られずにいた。
 いつもの沢登りの格好に薄手のフリースジャケットを着て、その上から上下の雨具。

 ネオプレーンソックスは流石に履いたまま寝る気にはならないから脱ぎ、代わりに雨具のズボンを膝まで下げて裾をくくって靴下状にして足を保護する。
 体が震える程ではないが、寒いのだ。
 このビビィサックは 暖かい空気を保持して体を保温するのでは無く、出て行こうとする熱をただ食い止める。だから中に入っていると体の周りの空気は徐々に温かくなってくるのだが、動くとその折角温もった空気が逃げて行ってしまい、代わりに冷気が入り込む。
 だから極力同じ姿勢を崩さぬよう勤めるのだが、そうしていると体から蒸散した湿気が袋内部で結露して衣類を濡らしてまた冷える。
 以前使った時は結露の濡れなど大した問題にならぬほど温かかったのだが・・
 仕切りなおそう、と起き上がって表に置いた腕時計の表示を見ると 外気温3.6度!!
 寒い筈だ。


 奥の手。→{最近のお気に入り。 - ざるの洗い方}←このボトルに入れて来た焼酎を捨てて お湯を沸かして湯たんぽにする。
 ついでにココアも作って板チョコ一枚まるまる食してから横になると 何とか少しは眠れたようだった。恐らく一時間くらい。


 寒さに耐える事を忘れようとしていた体で、あの状況下 震えるほどは寒くなかった。
 まぁ充分と云うべきか。
 水濡れにも強い事を思うと沢登りでの宿泊にはやはり適していると考える。
 ただ、次回はもう少し防寒着{乾いた靴下}+使い捨てカイロ等も持って行く事にしよう。