土面川

 9月23日、屋久島遡行人さんの誘いを受けて永田の土面川に沢登りに行ってきた。
 この土面川、以前もこのブログで出した事があるのだが→{砂防 - ざるの洗い方}下部から中部は異様としか言いようの無い渓相となっている。

 遡行人さんは前に最下部に挑戦して諦めたのだそうで、今回は林道の分岐に車をデポして歩いて↑の現場に上がり、初めてこの突堤群を見た時の遡行人さんの表情はまさにフリーザの気を感じたクリリンの様であった。

 自分ではなかなか行こうと思いつく沢ではないので、今回お誘いを頂いたのは良いチャンスなわけだ。
 突堤をいくつか越えて行き、最初の右岸からの流れ込みは

土石流跡そのもの。しかしここからは茂みの中に入りやっと沢登りらしくなってくる。

 振り返れば

永田の港。

 フェルト・ゴム底共に結構滑ります。

 しかしこの沢は何だか「たった今風化している最中ですよ〜」と訴えるような花崗岩の姿がやけに目立つ。
 やはり一回伐られたからなのか、逆にこんな所を伐ったからあぁなったのか。

 
 そして 吉田岳の南にあるポコ横の稜線に上り詰める。


 今こうやってGPSログを見ると簡単なのだが、行動中はザックの中に入れて見ない様にしていた。
 実際腕時計の高度計は1150m位を指していて、この実際の地点よりももっと西側に居るのではないかと云う話になり、そこから一直線に吉田岳にコンパスを切る。
 が、実際の藪の都合でコンパスより右に進んでいることは知覚していたのだが、途中{結果地形図には載っていなかった}尾根筋を吉田岳に向かう物と思い込み それに沿って進む。
 途中すこし霧が晴れ、見晴らしのある所で
「木が一本突き出ているあそこが頂上でしょう!」
 コンパスの方向とは違う・・けどまぁそうなのか、とそちらに向かうと霧の切れ間に目指すピークの右、より高く見える頂が覗いた。
「????」
 訳がわからん。が・・吉田岳の横にもポコはある。頂上の高さなんて下から見てもアテにはならんさ。
 そしてその頂上に出てみると

藪をこいで探し回ってみても祠など無く、霧に巻かれた中ひとまず食事とする。
 「もう{GPS}見ちゃいましょうよ・・」
 「いや、ちょっと待って・・・」
 頭をひねり、吉田岳南東のポコ上に居ると仮定し、霞掛かった見えない吉田岳に向けコンパスを切る。すると・・

 到着!
 実際正解に辿りついてみると2万5千分の1地形図の距離感覚がしっかり染み付いていない事が良く分かる。
 見通せない藪はさっさと抜けたい気持ちに反比例して距離が稼げない。希望的観測に惑わされてしまったか。

 足元に転がるのは大日本麦酒のビール瓶

 二等三角点
 あとは降りるのみ。
 登山道はよく整備されていて、吉田と言う、屋久島に住んでいてもあまり馴染みを感じない集落で 岳参りがしっかりと継承されている事を感じさせてくれる道であった。
 登山道入り口到着前にスパッツを外そうとしたら一匹ヒルが転がり落ち、ファスナーを下ろしたら

また別の一匹がそこに引っかかってしまった。
 流血は無かったが結構蛭多いのかも。

 登山道入り口到着!



 その後 デポした車まで戻る間もGPSをつけたままにしてみると 上空からでも見えそうな林道が結構データとずれている。道路の形と地形図上の地形はあっているし、勿論GPSの誤差もある筈だけど、国土地理院地図の地形自体が実際とのズレを持っている様に思える。
 スマホも普及し、民生GPSもここまでのレベルに来ているのだから、国土地理院地図も衛星を活用して一つ上の精度に持ってくるべき時期に来ているんだろう。{都市部ではカーナビもある事だし やっぱこういう山地より地図精度が高いのだろうか??}