二泊三日で鹿乃沢小屋
今年の雪はちょっとすごいから。
一泊二日じゃなんか物足りなく、うかない天気ではあるけども、そこに日が差したときの景色の価値には大変なものがあると思ってまた行ってきた。
前日の飲み会の酒の影響で歩き出しは10時。
小屋に辿りつけずキャンプとなる。でも住み慣れたテントでの一夜は結構シアワセなものだったりする。
実は今回、コレがしたくて山に入ったというのもある。
もう、なんかどっかでイヤになってしまったのだアルファ米が。フリーズドライが。乾物が。
そっけなくサラリと湯を沸かすリアクターも。
ちゃんと米を炊いて、肉なんか焼きたい。どこか生命を持つようにも見えてくる、炎のご機嫌とり上手なトランギアで。
こんな悠長な事をご一緒願えるのは嫁くらいだけど この山にはついて来れっこない。
誰にも気兼ねなく、ゆっくりやれる一人の時間もやはり時には必要に思える。
一夜明けて辿り着いた鹿乃沢小屋。
やっぱり埋まりなおしていて 雪掻きのやり直し。
↓↓↓因みに↓↓↓
↑↑↑コレは去年。↑↑↑
先日より少しつもった。
シャベルを入れてみて分かるのだけど 何度か気温が上がって雪が緩み、また凍りなおしを何度かしていて雪が堆積岩のように層になって剥離する。こんな上にまた雪が積もると表層雪崩の元になるんだっけ??
・・・トイレ。
こうやって見ると
「ちょっと北欧行って来たんだよね」
なんてのも通じそうに思えてしまう。
水場。いつもの道は埋まってて上{夏はヤクザサ・シャクナゲ帯だっけ?}から回り込む。
特にここから上は地図情報がかなり間違っていてGPSがアテにならない。し、殆ど埋まった道も大概なものながら道以外の薮を歩くのも相当ムチャとなるので 何とか注意深く道を探し、潜り・くぐり・踏みつけ進む。
お、この岩には見覚えが。夏はロープがあったっけ?
そう、登った上にはこの看板・・・
なんじゃこりゃぁ!
全てが埋まっている!
↓↓↓去年のロウソク岩展望台↓↓↓
写真を撮り忘れたのだけど この岩を覚えていなければ全く場所が分からない、もう道もクソもない大雪原になっていた。
こんな所にもなんと
シカの糞。・・何しに来たのだ??
ホワイトアウトというと大袈裟なのだけど、辺りは真っ白。強風も吹きすさぶ。
あぁ今もまた降り続けているこの今の積雪状態で 視界の開けたその景色が見たい!写真に撮りたい!もう一回・・行くか??
仲間の増える予定であった鹿乃沢小屋は日が暮れても誰も来ず、一夜明けて目が覚めるとすでに七時。
小屋のドアを開けようとしてドキリ。
ドアが・・・ここまでしか開かない・・・
シャベルでこじ開けても肩をねじ込もうとしてもムリ。
ダイ・ハードばりに蹴り開けようかと思うが思い直し
この窓を開けようとするが凍りついている。テルモスのお湯をかけてピッケルでこじ開けても20センチ足らずしか開かず 枠からも外れない。
顔を突っ込むと何とか通る。
子供の頃憧れた忍者の本で、彼ら忍の者は頭さえ通る隙間であればどんな所も通れる様に訓練していたとあり、自分もありとあらゆる所に頭を突っ込んでみて
「あ、俺も結構イケそうだ」
と思ったのを想い出す。
さて。
俺、32歳。
このまま進んで雪解けの頃にこんな状態で死体として発見・・・
嫌だ。
いや、しかし。
諦めるのは可能な限りトライしてからだろう?出た分は理論的には戻せる筈だ。
色々考えて進むとやはり腰骨がつかえ膨らんだ膀胱がピンチになりながらも何とか脱出。
太って無くて本当に良かったと思った時であった。