外傷用イソジンと JMGA ガイドマニュアル ファーストエイド編

 今、自分のお仕事リュックの中の救急用品タッパーには、消毒液としては「外傷用イソジン」が入っている。

 そもそもはガイドになる前から使い始めたと思うのだけど、その理由は「マキロンより何となくツウっぽいから」だった。
 ガイドになってからもやはりコレを持ち続けたのは似たような理由が一番にあった。マキロンをプシュプシュするよりイソジンをコットンボールに染ませてピンセットでポンポンした方がなんか説得力がある。
 実際の所 自分の体であれば大体の擦り傷は砂を払うだけでほっとく。ズボンに何か汁がついて汚れる様ならティッシュか何か適当な物でも張ってその場を凌ぐだけなのだけど、
 「あ、ちょっと血が出ちゃいました」
 なんて言うお客様に
 「あぁそうですか。」
 の一言だけと言うのはやっぱりマズそうなのでちゃんと丁寧に消毒+バンドエードをしてさし上げる。


 で、ある日看護婦のお客様が転び、このイソジンを登場させたら
 「え?今さらイソジンなんて使ってるんですか?!」
 と驚かれた。
 曰く、イソジンは殺菌力が強い分問題無い細胞まで潰してしまうので傷の治りを遅くしてしまうし、大変沁みる。だからマキロンみたいな物が一番良いのよ、との事だった。
 そう云われて早速マキロンを持ち歩いてみたらザックのなかの圧力に押されて漏れて 救急タッパーの中をぐしょぐしょにしてしまった。
 荷物の圧迫だけでなく一日千数百メートルの垂直移動による気圧の変化もあるのだ。しっかり蓋がネジ止めされて無いと液体は漏れてしまうだろう事と、その容器のコンパクトさから結局の所またイソジンに戻ってきてしまっていたのだった。


 そこで題の本。

 左・下側のやつも一緒に買ったのですが。 まぁひとまず言わせて貰いたいのが

 この厚みの違いでお値段同じ3000円ですか・・・

 内容としてはその名の通り山で起きうる傷病への対処法が確かに高密度に記されてはいるが、JMGA指定のファーストエイドキットがただ遠景写真で紹介されているだけで内容が記されていなかったり、もうちょっとページが多くても書く内容があったんじゃない?と思えてしまう。


 そして、傷口の処理方法としてはハッキリと「イソジン消毒」が記されている。
 うーんJMGAがそう云うならやっぱそれで良いのかなぁ??と思っていたら。
 ガイド同士の勉強会の時、先輩が
 「最近は傷口を消毒するメリットより、跡が残ってしまったり治りを遅くしてしまったり{それで訴えられてしまったり}のデメリットの方が多いと云う事で ただ傷口洗浄だけで済ませる様になってきている」
 と教えてくれた。

 うーん。JMGAさん、コレ、出来たばっかりのガイドマニュアルなんですよね?


 で、この文を書く時面白いページを見つけてしまった。
新しい創傷治療:}←この人は・・・スゴイ。自分を実験台にイソジンの毒性を証明している。
 他にも色々してるようだからまた見てみよう。

 
 傷口洗浄の水は現場だと沢水となるのだけど、ペットボトル一本にイソジン数滴みたいな、水に対する消毒にはイソジンってどうなんだろうか。
 「消毒液は乾く瞬間に消毒するから乾かさないといけない」ってのも聞いた事あるけどなぁ・・・