電磁波
先日息子らと自転車・ストライダーに乗って近所の川に遊びに出掛けた。
長男の旺盛な捕食本能のはけ口にできるものを、まだ水温も低い{活性が無い}というのに川エビ以外に即時プロデュースできるネタが無かった。
水面を覗いて、「まぁ、あんまいねぇなぁ」
なんて思っていると海岸の方でブラついていた親子の子供の方が来て親しげに話しかけてきた。
特徴的な子だなぁと思っていると、これまた特徴的な遊びをし始めたので おぉ、とカメラを構えると
「あの!スミマセン!!」
遠くにいたお母さんが強く言ってきたので手を止める。
「あの、電磁波が。過敏なんです。だから電線の少ないこの辺りに引っ越してきたんです。」
電磁波。カメラ。
シャッターを押すと250分の1秒とかでセンサーからレンズを通して被写体に電磁波が?
いや、一番被害被りかねるの機械を顔に押し付けてる俺だけど。
いやこのカメラ、マグネシウム合金で出来てるからそれも大丈夫・・・
いや、高圧電線が架空されているのは安房〜宮之浦間なんだからもうちょっと南に住んだ方が。
とか一瞬で頭の中がぐるぐるなったけどそういう問題ではない。
嫌だと言われたらそれまでだ。カメラを暴力的な武器にしてはいけない。
しかし昔と比べて肖像権とか、そういった意味ではいろいろ写真を撮るのも難しくなってきたと言われるけど、そうか電磁波。そういうのもか・・
持ってても結局あまり使ってない機械式のフィルムカメラ、ここに需要があるのかもしれない。
電磁波フリーの写真館。うん屋久島ならイケかねる。けどストロボもダメかなぁ。
帰り道、背中に背負った次男が空を指さし何か言うので、見ると飛行機。
飛行機雲が出てるのと出てないのが同時に飛んでたので不思議に思い、なんとなく写真を撮ってみると
航空自衛隊のE−767?!
旅客機にすりゃぁ最大300人以上載せられる飛行機の乗員が四人になる程電子機器を詰め込んだ、早期警戒管制機。
特徴的な背中の丸いのはレーダーアンテナ。当然相当強力な電波を発し、「強力な電磁波から乗員を保護するために、操縦席以外窓がない」のだそうな。
一機550億円もするらしい飛行機を、単なる道楽で飛ばしてる訳はない。当然レーダーのスイッチはバリバリにONだろう。
あの親子、大丈夫だったろうか?体調崩して、
「あの野郎、やっぱりこっそり撮りやがったんじゃ??」
って恨まれてはおるまいか?
まぁ、野口英世は黄熱病で死に、キュリー夫人は被爆で死んだ。
我々は常に未知の力が存在する可能性を、否定はできない。
けど。カメラと撮影者の発する「見えない何らかの力」というのは、確かにある気はする。けど多分それは、電磁波じゃない、気がするなぁ。