鶏を頂く。


 Hさんの所で要らなくなった雄の烏骨鶏二匹、頂いてきました。
 Hさんが捕まえる時は激しく逃げ回ったのに、両足を縛られるとひっくり返ったままじっとしています。

 烏骨というのは「カラスの骨」の意味らしく、肌、骨、肉、内臓その全てが黒っぽい事から来る名前。
 屋久島に来てもう何年にもなると言うのに今だ温血動物を捌いた事が無く、ずっとやってみたかった事でもあった。


 今日の講師はN山師範。まさか同学年の子を持つ事になるとは。

 結婚指輪のキラリ輝くごつい手で頭を隠す。すると暗くなって鶏が落ち着くので足と頭を掴んでグイッと引っ張り首の関節をイテコナス。
 「これを無血法と云うのダ」

 まぁすぐ首を落として血は出るのだけれど。〆た時にどうしても鳥が暴れるその時に血が出ていないという事と 首の関節を引き離してそこにナイフを入れると切り落とし易いという利点があります。

 70度位のお湯につけてから羽をむしります。
 この作業が面倒臭い。そして剥いていくにつれどんどん鳥が小さくなっていく。
 そういやY師範に「羽とっといてダウンの何かにすれば?」といわれていたが

このダウンによさげな綿毛も烏骨鶏の特徴の様。・・だが・・使わんな。埋めました。


 そして内臓の処理に掛かります。この鶏が今日食べた物が首の辺りにプックリ膨らみになっているので一応それを破らないように首元を切っていきます。自分は破いちゃいました。
 

 「ニェー 何何?? ・・・ 頭は食べませんよぉ?」
 “鶏より魚派”な上、鳥も自分で捕まえて美味しいとこだけ食べているあんこは人のあまりもんなどに興味がありません。
 

 「そっち・・が良さそうな匂い・・」

 「あー そっち〜が良いなぁ〜 おいしそー だな〜」


 内臓からはスナギモとハツとレバーだけを回収します。あとはあんこに見せても無反応だったし美味しくないのでしょう。



 で、脚もついた状態で大きい方が1キロ、小さい方が800グラム。合計1・8キログラム。
 一匹は冷凍しておこうかとも思ったけども このサイズをチマチマ喰うのもなぁ、と云う事で圧力鍋に詰めていっぺんにサムゲタンにしてしまう。{写真撮り忘れ}。


 普通の肉屋で手に入る鶏であれば50分もうちの高圧の圧力鍋で圧をかけていれば骨までクタクタになり、かなりの骨が食べれてしまうのだけど、今回 骨は硬くて殆んど食べられなかった。
 スナギモ、ハツ、レバーと一緒にモモ肉も一部串焼きにして食べてみたのだけど、結構な歯応えがあり、サムゲタンの肉がすんなり食べられたのはやっぱり圧力鍋の力なのだと知らされた。{この串焼きは少ししかなかったけど相当旨かったなぁ。}


 これでもまだ篭の中で飼われていた鳥。
 健康な鶏はこんなにも体がしっかりしている物なんだ、というより 普段僕らが口にしている 肉から骨まで柔らかで肉量も豊富なあの鶏とは、それだけ異常な存在なのだなぁと言う事を知ってしまった日なのでした。



 と、云う事で。鶏肉料理を方々の皆様にお裾分けして回るつもりでいましたがスミマセン食べきっちゃいました。
 ぜひまた次の機会に。


 今回、固めの鶏肉に対してサムゲタンは結果丁度良いメニューだったのだけど さて次は何にしようかなぁ??